自傷行為がやめられない(実践編)

はじめに

自傷行為・・・数十人に一人くらいいるようです・・・。今回は子どもの自傷行為に気づいた親の話です。

かなりびっくりしました・・・。

ですよね。でも、ものすごく珍しいわけでもないようですよ。

そうなんですか?

数十人に一人くらいらしいです。

どう接していいのか分からないんです

🔴保護者

先生、今日はどうしても相談したいことがあります。

子どもが自分を傷つけていることを知ってしまいました。

最初は何が起きたのか分からなくて、頭が真っ白になりました。

思わず、

「どうしてそんなことをするの!」

「もう絶対にやめなさい!」

と言ってしまったんです。

でも、それ以来、子どもはほとんど話をしてくれなくなりました。

私が責めたからでしょうか。

親として何をしてあげればいいのか、全く分からなくなってしまいました。

🔵講師

お話ししてくださってありがとうございます。

まず、お母さんにお伝えしたいことがあります。

お子さんを大切に思っているからこそ、驚き、動揺し、そのような言葉が出てしまったのだと思います。

ですから、まずご自身を責めないでください。

🔴保護者

でも、「やめなさい」と言ったことが頭から離れないんです。

もっと違う言葉を掛けてあげればよかったと後悔しています。

🔵講師

そのお気持ちはよく分かります。

ただ、自傷行為は「やめよう」と思っても簡単にやめられるものではありません。

その背景には、学校での悩み、人間関係、将来への不安、自分を責め続ける気持ちなど、さまざまな苦しさが積み重なっていることがあります。

だからこそ、「どうしてそんなことをしたの?」と理由を追及するより、「そんなにつらかったんだね」と苦しさに目を向けてあげることが大切なんです。

お子さんは行動を責められるより、自分の気持ちを理解してもらえることを求めている場合が少なくありません。

何を聞いても『大丈夫』と言うんです

🔴保護者

先生、それから何度か話しかけてみたんですが、

「大丈夫。」

「別に。」

それしか返ってきません。

本当は大丈夫じゃないことくらい、親だから分かるんです。

でも、それ以上聞こうとすると部屋へ戻ってしまいます。

このまま見守るしかないのでしょうか。

🔵講師

「何かしてあげたい」と思う気持ちは、とても自然なことです。

でも、苦しさが大きくなっているときは、自分の気持ちを言葉にすること自体が難しくなります。

話したくないのではなく、「どう話せばいいのか分からない」という状態になっていることも多いんです。

🔴保護者

じゃあ、無理に話を聞き出そうとしない方がいいんですね。

🔵講師

はい。

無理に理由を聞くよりも、

「いつでも話を聞くよ。」

「あなたの味方だからね。」

そんな言葉を伝え続ける方が、お子さんに安心感を与えます。

そして、お母さんにもお願いがあります。

この問題を一人で抱え込まないでください。

学校の先生やスクールカウンセラー、家庭教師、必要に応じて医療機関など、周りの力を借りることは決して特別なことではありません。

家族だけで頑張ろうとすると、お子さんだけでなく保護者も疲れ切ってしまいます。

少しずつ変化が見えてきました

🔴保護者

先生、この前教えていただいたことを意識してみました。

「どうして?」ではなく、

「今日は少し眠れた?」

「何かあったらいつでも話してね。」

そんな言葉だけを掛けるようにしたんです。

すると先日、久しぶりに学校であったことを少しだけ話してくれました。

ほんの数分でしたが、以前なら考えられませんでした。

🔵講師

それは本当に大きな変化ですね。

心が苦しいときは、人を信じることも難しくなります。

でも、「責められない」「安心して話せる」と感じられる時間が増えていくと、少しずつ心も落ち着いていきます。

🔴保護者

私はもっと早く元気になってほしいと思ってしまうんですが……。

🔵講師

その気持ちもよく分かります。

でも、心の回復は風邪のように数日で治るものではありません。

調子の良い日もあれば、苦しい日もあります。

だからこそ、「今日は少し話してくれた」「今日は一緒に食事ができた」といった小さな変化を大切にしてください。

その積み重ねがお子さんの安心につながり、回復への力になっていくのです。

一人で抱え込まなくてもいい

🔴保護者

先生、今日お話を聞いて、本当に気持ちが楽になりました。

私はずっと、「親なんだから私が何とかしなければ」と思っていました。

でも、それだけでは限界があるんですね。

子どもだけではなく、私も誰かに相談していいんだと思えるようになりました。

🔵講師

その考え方がとても大切です。

お子さんが苦しんでいるときは、保護者の方も同じように苦しんでいます。

だからこそ、ご家庭だけで解決しようとせず、学校や家庭教師、スクールカウンセラー、医療機関など、周りと協力しながら支えていくことが大切です。

🔴保護者

焦らず、寄り添いながら、一歩ずつ進んでいこうと思います。

🔵講師

それが一番です。

そして最後に、お子さんにも保護者の皆さんにも伝えたいことがあります。

苦しいときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

助けを求めることは、弱さではありません。

むしろ、「これから前に進もう」とする勇気ある行動です。

今日すぐにすべてが変わるわけではありません。

それでも、安心して話せる人が一人増えるだけで、心は少しずつ軽くなっていきます。

焦らず、一歩ずつ。

その積み重ねが、お子さんとご家族の未来につながっていくはずです。


理論編はこちらから

自傷行為がやめられない(理論編)

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