不登校の中学生が勉強しないとき、親はどうすればいい?

「学校へ行かなくなってから、まったく勉強しなくなった」

「一日中ゲームやスマホばかりで、このままで大丈夫なのだろうか」

「勉強しなさいと言った方がいいのか、それとも何も言わない方がいいのか分からない」

不登校の中学生を持つ保護者の方にとって、勉強の問題は大きな心配の一つではないでしょうか。

学校へ行っていれば、少なくとも授業があります。

ところが不登校になると、その授業から離れることになります。

数週間、数か月と経つにつれて、

「同級生はどんどん先へ進んでいる」

「勉強が遅れてしまう」

「高校受験はどうなるのだろう」

と、保護者が焦るのも自然なことです。

しかし、不登校の子が勉強しないときに、最初から「勉強させること」だけを考えるとうまくいかない場合があります。

まず考えたいのは、

「なぜ今、この子は勉強できないのだろう?」

ということです。

この記事では、不登校の中学生が勉強しなくなったときに考えられる理由と、家庭でできる対応、そして学習を再開するときの考え方について解説します。

不登校の中学生が勉強しないのは「やる気」だけの問題ではない

子どもが机に向かわない姿を毎日見ていると、

「やる気がないのでは?」

「楽な方へ逃げているのでは?」

と思ってしまうことがあります。

しかし、外から見える行動だけでは、その理由は分かりません。

本人の中では、

「勉強しなければいけない」

「みんなから遅れている」

「高校のことも考えないといけない」

と分かっていることもあります。

それでも動けないことがあります。

勉強すると学校を思い出してしまう

学校生活の中でつらい経験があった場合、教科書や制服、学校から届くプリントなどが学校を思い出すきっかけになることがあります。

その子にとって「勉強」が単なる学習ではなく、

「学校を思い出すもの」

になっている可能性もあります。

その状態で、

「学校へ行かなくても勉強くらいはできるでしょう」

と言われても、簡単には動けません。

どこから分からないのか本人にも分からない

もう一つ考えたいのが、学習内容そのものです。

例えば数学は積み重ねの教科です。

現在中学2年生でも、中学1年生で習った内容が十分に理解できていなければ、現在の単元を理解するのが難しくなります。

英語も同じです。

単語、文法、英文の読み方など、以前習った内容の上に新しい内容が積み重なっていきます。

分からない。

↓

問題が解けない。

↓

勉強するのが嫌になる。

↓

さらに勉強しなくなる。

↓

もっと分からなくなる。

この循環に入ってしまうことがあります。

この場合に必要なのは、

「もっと頑張りなさい」

ではありません。

「どこから分からなくなったのかを見つけること」

です。

「勉強しなさい」と言い続ければ勉強するようになる?

保護者として難しいのが、声のかけ方です。

何も言わなければ、本当に一日中勉強しない。

だから、

「少しは勉強したら?」

「今日も何もやっていないでしょう」

「このままだと高校に行けなくなるよ」

と言いたくなる。

一方で、それを言うと子どもが怒ったり、部屋へ入ってしまったりする。

「では、何も言わない方がいいのだろうか?」

と迷います。

ここで大切なのは、「勉強しなさいと言うか、まったく何も言わないか」の二択にしないことです。

親子の会話を勉強だけにしない

子どもが不登校になると、家庭での会話が、

「学校」

「勉強」

「進路」

「生活リズム」

ばかりになってしまうことがあります。

子どもからすると、

「親と話すと、また学校の話をされる」

と感じるようになることがあります。

そうなると、学校や勉強以外の会話まで減ってしまいます。

そのため、

「今日何を勉強したの?」

だけではなく、

「このゲーム面白いの?」

「その動画、どんな内容?」

「お昼、何食べたい?」

といった普通の会話も大切にしたいところです。

一見すると勉強とは関係ありません。

しかし、学習を再開するときにも、親子のコミュニケーションが保たれていることは大切です。

勉強再開は「5分」でもいい

不登校の期間が続いた後、

「今日から毎日2時間勉強しよう」

という目標を立てると、負担が大きすぎることがあります。

最初の目標はもっと小さくても構いません。

例えば、

英単語を3個見る。

それだけでもいいのです。

あるいは、

数学の問題を1問解く。

それでも構いません。

5分できたら、その日は終わりでもいい。

重要なのは、

「5分しかできなかった」

ではなく、

「今日は5分できた」

と考えることです。

0分だった状態から5分できたのであれば、それは変化です。

「できる問題」から始める

学習を再開するときに、もう一つ重要なのが難易度です。

いきなり現在の学年の問題から始める必要はありません。

例えば中学2年生でも、

「中学1年生の数学なら少し分かる」

のであれば、そこから始めます。

場合によっては小学校の計算問題でも構いません。

簡単な問題を解く。

↓

正解する。

↓

「これならできる」と感じる。

↓

もう一問やってみる。

この流れを作ります。

勉強から長く離れている子にとって、

「問題を解けた」という経験そのものが大切な場合があります。

勉強の遅れを全部取り戻そうとしない

保護者が不安になる理由の一つが、

「何か月分も授業が遅れている」

ということです。

例えば半年間学校へ行っていなければ、

「半年分全部勉強し直さなければ」

と思ってしまいます。

しかし、すべてを最初から同じように勉強する必要があるとは限りません。

理解できているところ。

復習すれば思い出せるところ。

完全に分からなくなっているところ。

これらを分けて考えることが重要です。

例えば数学なら、

「正負の数はできる」

「文字式が少し怪しい」

「方程式から分からない」

ということがあります。

そうであれば、文字式を確認して、方程式から重点的に学び直す方法があります。

つまり、

「遅れた時間=取り戻すために必要な時間」ではありません。

まず現在の理解度を確認し、必要なところから学び直していきます。

高校受験が心配な場合はどうする?

中学生の不登校で、特に保護者の不安が大きくなりやすいのが高校受験です。

中学1年生のうちは、

「今はゆっくり休ませよう」

と思えていても、中学2年生、中学3年生になるにつれて、

「高校はどうする?」

という問題が現実的になってきます。

ここでも大切なのは、いきなり、

「受験勉強を始めなければ」

と考えないことです。

まず、

現在どこまで理解できているのか

を確認します。

そして、

本人がどのような進路を希望しているのか

も少しずつ考えていきます。

進路によって、必要な準備は変わります。

だからこそ、

「みんなと同じ勉強を全部取り戻す」

ことだけを目標にするのではなく、

その子の現在地と進路に合わせた学習計画を作ること

が大切です。

親が勉強を教えるとうまくいかないこともある

「学校へ行っていないなら、家で私が教えよう」

と考える保護者もいるでしょう。

もちろん、それでうまくいく家庭もあります。

しかし、親子だからこそ難しいこともあります。

例えば子どもが問題を間違えたとき、

「これ、この前も教えたでしょう」

と言ってしまう。

子どもが、

「分からない!」

と怒る。

保護者も、

「教えてあげているのに、どうしてそんな態度を取るの?」

と感情的になる。

そして最後には、

「もう勉強なんてしない!」

となってしまう。

これは、保護者の教え方が悪いという単純な話ではありません。

親子という関係の中に「勉強を教える・教えられる」という関係が加わることで、難しくなる場合があるということです。

そんなときは、学校の先生、家庭教師、学習支援など、家庭以外の人の力を借りることも一つの方法です。

第三者となら勉強できることがある

保護者から、

「私が言っても全然勉強しないんです」

という話が出ることがあります。

ところが第三者が、

「今日はこれ一問だけやってみる?」

と言うと、

「それくらいなら」

と始められることがあります。

親に言われるのと、第三者に言われるのとでは、子どもの受け取り方が違う場合があるからです。

家庭教師を利用する場合でも、最初から勉強だけを進める必要はありません。

最初は会話から始める。

好きなものの話をする。

少し関係ができたところで、

「これ分かる?」

と簡単な問題を一緒に考えてみる。

そこから、

「来週も少しやってみようか」

につなげます。

学習支援では、

「この人となら勉強してもいい」

と思える関係を作ることも重要です。

保護者が今日からできる3つのこと

では、不登校の中学生が勉強していないとき、家庭では何から始めればいいのでしょうか。

まずは、次の3つから考えてみてください。

1.「何時間勉強したか」だけを見ない

0分から10分になった。

問題を一問解いた。

教科書を開いた。

それも学習再開への一歩です。

最初から学校へ通っている子と同じ学習量を求める必要はありません。

2.どこまで分かるかを確認する

現在の学年にこだわらず、

「どこなら解けるのか」

を探します。

できないところ探しではなく、

「ここならできる」という場所探し

から始めるのがポイントです。

3.家庭だけで解決しようとしない

保護者だけで、

学校のこと。

勉強のこと。

生活のこと。

進路のこと。

すべてを抱える必要はありません。

学校や公的な相談機関、学習支援、家庭教師など、必要に応じて外部の力を借りることもできます。

家庭教師もその選択肢の一つです。

不登校でも、学び直すことはできる

学校へ行っていない期間があると、

「もう勉強についていけないのではないか」

と不安になるかもしれません。

しかし、勉強は必ず学校と同じペースで進めなければならないものではありません。

分からなくなったところまで戻る。

できる問題から始める。

5分から始める。

一問から始める。

そして少しずつ、

「分かった」

「できた」

を増やしていく。

それが学び直しです。

大切なのは、

「どうして勉強しないの?」

と問い続けることだけではありません。

ときには、

「どうすれば、この子がもう一度勉強を始めやすくなるだろう?」

と考えてみることです。

学びサポートステーションふくいでは、不登校やひきこもりのお子さんについて、現在の学年だけで判断せず、どこまで理解できているのか、どこから学び直せばよいのかを確認しながら、一人ひとりのペースに合わせた学習支援を考えていきます。

「何か月も勉強していない」

「高校受験が心配」

「親が言うとけんかになってしまう」

「そもそも今、勉強を始めさせてよいのか分からない」

という段階でも、まず状況を整理するところから始められます。

学校へ行けているかどうかだけではなく、その子が今いる場所から、次の一歩をどう作るか。

そこから学習を考えていきましょう。

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