②学校へ行けなくなる子どもに起きている変化~不登校の原因は一つではないことも多い~(理論編)

はじめに

子どもが学校へ行けなくなったとき、多くの保護者は「何があったのだろう」と考えます。

いじめがあったのか、友達とトラブルになったのか、それとも勉強についていけなくなったのか。

もちろん、そのような出来事がきっかけになることもあります。しかし、不登校になる子どもの多くは、一つの出来事だけが原因ではありません。

学校へ行けなくなるまでには、心や体の中で少しずつ変化が積み重なっています。

その変化は外から見えにくいため、「昨日までは普通に学校へ行っていたのに、なぜ急に?」と感じる保護者も少なくありません。

しかし、子どもの心の中では、その「急に」が起こるずっと前から、小さなサインが出始めています。

この記事では、学校へ行けなくなる子どもにどのような変化が起きているのかを、一つひとつ見ていきましょう。


心のエネルギーが少しずつ減っていく

子どもは毎日、学校生活の中でさまざまな刺激を受けています。

授業、テスト、友達との関係、先生とのやり取り、部活動、学校行事など、一つひとつは小さな出来事でも、それが積み重なることで大きな負担になることがあります。

最初は、

「今日は疲れた。」

程度だったものが、

「また学校か……。」

「朝が来るのが嫌だ。」

という気持ちへ変わっていきます。

さらに、その状態が続くと、学校へ行くだけで心のエネルギーを大きく消耗するようになります。

やがて、そのエネルギーが限界に達すると、「学校へ行けない」という状態が現れることがあります。


心だけでなく体にも変化が現れる

心の疲れは、体にもさまざまな影響を与えます。

例えば、

  • 朝になると腹痛が起こる
  • 頭痛や吐き気が続く
  • 食欲がなくなる
  • 夜眠れない
  • 朝起きられない
  • 微熱が続く
  • めまいや倦怠感がある

病院で検査をしても異常が見つからないこともあります。

しかし、症状が「気のせい」というわけではありません。

強いストレスを受け続けると、自律神経の働きが乱れ、実際に体へ症状が現れることがあります。

本人も「学校へ行きたい」と思っていても、体が動かなくなることは珍しくありません。


家では元気に見える理由

保護者が最も戸惑うことの一つが、

「家では元気なのに、学校だけ行けない。」

という姿です。

ゲームをしたり、動画を見たり、好きなことをして笑っている姿を見ると、「本当にそんなにつらいのだろうか」と感じることもあるでしょう。

しかし、人は安心できる場所では緊張が解けます。

学校という大きなストレスから離れることで、一時的に心のエネルギーを回復させているのです。

これは、大人でも休日になると少し元気になることがあるのと似ています。

そのため、「家で元気だから学校にも行ける」と判断するのではなく、「家だからこそ安心して過ごせている」と考えることが大切です。


子ども自身も理由が分からないことがある

「どうして学校へ行きたくないの?」

そう尋ねても、

「分からない。」

と答える子どもは少なくありません。

これは、ごまかしているわけではありません。

子ども自身も、自分の気持ちをうまく整理できていないことが多いのです。

不安、緊張、疲れ、孤独感、失敗への恐れ、人間関係へのストレスなど、さまざまな感情が重なり合っているため、「これが原因です」と説明できないケースも珍しくありません。

だからこそ、無理に答えを聞き出そうとするよりも、「今は苦しいんだね」と気持ちを受け止める姿勢が大切になります。


保護者が気づきたい小さなサイン

学校へ行けなくなる前には、小さな変化が現れることがあります。

例えば、

  • 朝になると表情が暗くなる
  • 忘れ物が増える
  • 学校の話を避けるようになる
  • イライラしやすくなる
  • 食事の量が変わる
  • 休日も疲れた様子が続く
  • 「学校に行きたくない」とぽつりとつぶやく

こうした変化は、「助けてほしい」というサインかもしれません。

保護者が早い段階で気づき、安心して話せる環境をつくることができれば、子どもの心の負担を軽くできる可能性があります。


まとめ

学校へ行けなくなる子どもは、ある日突然変わるわけではありません。

見えないところで少しずつ心のエネルギーが減り、体にも変化が現れ、限界を迎えた結果として「学校へ行けない」という状態になります。

そのため、「なぜ行けないのか」を責めるのではなく、「今どんな状態なのか」を理解しようとすることが、回復への第一歩です。

子どもが発する小さなサインに気づき、安心して過ごせる家庭をつくることが、未来への大切な土台になります。

次の実践編では、実際の相談事例をもとに、「学校へ行けなくなるまでに子どもの心にどのような変化が起きていたのか」、そして保護者がその変化にどう気づき、どのように関わっていったのかを会話形式でご紹介します。

実際の例はこちらから

②学校へ行けなくなる子どもに起きている変化~不登校の原因は一つではないことも多い~(実践編)

はじめに 「先生、あのときもっと早く気づいてあげられていたら、何か変わっていたのでしょうか。」 面談の最後、お母さんはそう言って静かに涙を流されました。 お子さんが学校へ行けなくなって半年。 最初は「少し疲れているだけだ […]

学校に行けないお子さんのための家庭教師

ここまで読んでいただいた方へ

不登校のお子さんのことで悩まれている方からのご相談が増えています。

無理に勉強を始める必要はありません。
まずは今の状況をお聞かせください。

【ご相談の流れ】
① メール・電話・LINEでご相談
② 現在の状況をヒアリング
③ お子さんに合った進め方をご提案


※ご相談だけでも大丈夫です
※無理な勧誘は一切ありません