不登校で勉強が遅れたら?学び直しの始め方

「学校を休んでいる間に、授業がどんどん先へ進んでしまった」

「今から勉強を始めても、もう追いつけないのでは?」

「どこから勉強をやり直せばいいのか分からない」

不登校のお子さんを持つ保護者の方にとって、勉強の遅れは大きな心配の一つではないでしょうか。

特に欠席期間が長くなってくると、

「3か月分遅れている」

「半年以上授業を受けていない」

「高校受験まで時間がない」

と、焦りを感じることもあります。

しかし、不登校によって勉強が遅れたからといって、学校を休んだ期間の学習内容をすべて同じ時間をかけてやり直さなければならないわけではありません。

大切なのは、

「何か月遅れているか」ではなく、「今どこまで分かっているか」

を確認することです。

この記事では、不登校によって勉強が遅れてしまったときの考え方と、無理なく学び直すための具体的な方法を解説します。

不登校になると勉強はどのくらい遅れる?

学校を休む期間が長くなれば、学校の授業との間に差が生まれることがあります。

例えば中学生の場合、数学や英語は次々と新しい単元へ進みます。

学校を3か月休めば、

「3か月分全部遅れてしまった」

と思うかもしれません。

しかし、実際の理解度はそれほど単純ではありません。

学校へ通っていても理解できていない単元がある子もいますし、反対に、学校を休んでいても以前の知識を使って理解できる内容もあります。

そのため、

欠席期間=学習の遅れ

とは限りません。

まず必要なのは、欠席日数を数えることではなく、現在の理解度を確認することです。

「学年」だけで考えない

例えば現在中学2年生だとします。

だからといって、

「中学2年生の問題集を最初からやろう」

と考える必要はありません。

数学を確認してみると、

中学1年生の正負の数はできる。

文字式もある程度できる。

しかし、方程式がよく分からない。

その結果、その後の学習でもつまずいている。

ということがあります。

この場合は、中学2年生の教科書を無理に進めるよりも、方程式まで戻って学び直す方が近道になることがあります。

学び直しでは、

「何年生だから何年生の勉強」

ではなく、

「どこまで分かっているか」

を基準に考えます。

勉強の遅れを一気に取り戻そうとしない

保護者が特に焦りやすいのが、

「早く学校の進度に追いつかせたい」

という気持ちです。

例えば半年間十分に勉強できていなかった場合、

「半年分を早く取り戻そう」

と考えてしまいます。

そこで、

「毎日3時間勉強しよう」

「夏休み中に全部終わらせよう」

「この問題集を1冊やろう」

と計画を立てる。

しかし、長く勉強から離れていた子にとっては、その計画そのものが大きなプレッシャーになることがあります。

問題集を開く。

大量のページが残っている。

「こんなの全部できない」

と思う。

そして、始める前から嫌になってしまう。

これでは学び直しが続きません。

最初の目標は「追いつく」ではなく「再開する」

学習を再開するとき、最初から学校へ追いつくことを目標にする必要はありません。

まずは、

勉強を再開できる状態を作ること

から始めます。

例えば、

「今日は数学を10分」

でも構いません。

英単語を5個確認する。

計算問題を3問解く。

教科書を2ページ読む。

それでも十分です。

0分だった勉強時間が10分になったのであれば、それは学習再開です。

10分が続くようになったら15分。

15分が続いたら20分。

このように少しずつ増やしていきます。

0からいきなり100を目指すのではなく、0から1を作ること。

これが学び直しの第一歩です。

学び直しは「できるところ」を探すことから始める

では、具体的にどこから勉強を始めればよいのでしょうか。

おすすめなのは、

「分からないところ探し」ではなく「できるところ探し」

から始めることです。

例えば中学2年生の数学なら、中学2年生の問題をいきなり解かせるのではなく、少し前の内容を確認します。

ステップ1 簡単な問題から確認する

まず本人が比較的解きやすい問題を出します。

解けたら、少し難しくする。

それも解けたら、もう少し進める。

そして、

「ここから少し怪しい」

という場所を探します。

そこが学び直しのスタート地点です。

ステップ2 つまずいた少し前まで戻る

例えば方程式でつまずいたからといって、すぐ方程式を大量に解く必要はありません。

文字式の計算が十分理解できているか確認します。

もし文字式も曖昧なら、そこまで戻ります。

「戻る」というと、

「さらに遅れてしまう」

と感じるかもしれません。

しかし、土台が曖昧なまま先へ進む方が、結果的に時間がかかることがあります。

戻ることは遠回りではなく、学び直しのための準備です。

ステップ3 小さな「できた」を増やす

学び直しを始めたときに大切なのが成功体験です。

10問中2問しか解けない問題よりも、まず10問中8問くらい解ける問題から始める。

すると、

「これなら分かる」

「思ったよりできる」

という感覚が生まれます。

勉強から離れていた子にとって、この感覚はとても重要です。

英語と数学は「つまずいた場所」を優先する

中学生の学び直しで特に注意したいのが、英語と数学です。

どちらも、それまで習った内容を使って次の内容を理解していくことが多い教科だからです。

数学の場合

例えば、

正負の数
↓
文字式
↓
方程式
↓
比例・反比例
↓
その後の単元

というように、以前習った知識が次の学習につながっていきます。

前の内容が十分理解できていなければ、現在の学年の問題だけを繰り返しても理解しにくいことがあります。

英語の場合

英語も同じです。

単語が分からない。

be動詞と一般動詞の違いが曖昧。

疑問文や否定文の作り方が分からない。

こうした基礎部分が曖昧な状態で長い英文を読もうとしても、難しく感じるでしょう。

その場合は現在の教科書を進めるよりも、基礎文法や基本単語まで戻った方が理解しやすくなります。

つまり、

「学校が今どこを勉強しているか」より「本人がどこで止まっているか」

を見ることが大切です。

すべての教科を同時に始めなくてもいい

「国語も数学も英語も理科も社会も遅れている」

と考えると、学び直しの量が非常に多く感じられます。

その結果、

「全部やらなければ」

となってしまいます。

しかし、最初から5教科すべてを同じように進める必要はありません。

例えば、

まず数学だけ始める。

あるいは、

本人が比較的好きな社会から始める。

という方法もあります。

重要なのは、最初に学習習慣を作ることです。

一つの教科で、

「少し勉強できるようになった」

という状態が作れたら、そこから別の教科を加えていくことができます。

好きな教科から始めてもいい

学び直しというと、

「一番遅れている教科から始めなければ」

と思うかもしれません。

しかし必ずしもそうではありません。

勉強への抵抗感が強い場合は、本人が好きな教科や比較的得意な教科から始める方法もあります。

社会ならできる。

理科なら興味がある。

国語なら文章を読むのは嫌ではない。

それなら、そこを入口にします。

まず、

「勉強する」という行動そのものを再開する。

苦手科目への対応は、その後でも構いません。

「学校の時間割」を家庭で再現しなくていい

不登校になると、

「学校へ行っていない分、家でも学校と同じ時間勉強させた方がいいのでは?」

と考えることがあります。

しかし、朝8時から午後3時まで学校と同じように勉強する必要はありません。

特に学習再開直後は、

10分。

20分。

30分。

という短い時間から始める方法があります。

また、必ず朝に勉強する必要もありません。

生活リズムを整えることは大切ですが、

「朝9時に勉強できなければダメ」

とすると、それ自体が負担になる場合があります。

まずは、

「本人が比較的動きやすい時間に短時間勉強する」

ところから始めてもよいでしょう。

そして少しずつ生活全体を整えていきます。

高校受験が近い場合は「全部」より「必要なこと」を考える

中学3年生になると、

「そんなにゆっくりしていられない」

と感じる保護者もいるでしょう。

高校受験が近い場合は、確かに時間を意識する必要があります。

しかし、だからこそ、

全部を完璧に取り戻そうとしないこと

も重要です。

現在の学力。

希望する進路。

入試までの期間。

本人の学習可能な時間。

これらを確認して、

「今から何を優先すればよいか」

を決めます。

例えば数学なら、すべての単元を最初から完璧にするのではなく、基礎部分を優先して学び直す方法があります。

英語でも、まず基本単語や基本文法を固める。

そして現在の理解度に合わせて受験勉強につなげていきます。

受験まで時間が限られているからこそ、

「何をやらないか」を決めることも学習計画の一部です。

親子だけで学び直すのが難しいこともある

家庭で学び直しを始めようとしても、うまくいかないことがあります。

保護者が、

「今日は数学やろうか」

と言う。

子どもが、

「今日はやりたくない」

と答える。

「昨日もやっていないでしょう」

「うるさい!」

となる。

これが繰り返されると、勉強そのものよりも親子関係の方が苦しくなってしまいます。

このような場合は、家庭だけで解決しようとしなくても構いません。

学校の先生。

学習支援。

家庭教師。

その他の相談機関。

必要に応じて第三者の力を借りる方法があります。

特に学習面では、

「どこから学び直せばよいのか分からない」

という問題を第三者と一緒に整理するだけでも、次にやることが見えやすくなります。

家庭教師を利用する場合も「現在地」から始める

不登校のお子さんが家庭教師を利用する場合も、いきなり現在の学年の教材を進める必要はありません。

最初に確認したいのは、

「何年生か」

だけではなく、

「どこまで理解できているか」

です。

例えば中学3年生でも、中学1年生の数学から確認することがあります。

逆に、学校へ行っていない期間があっても、本人が自分で勉強していて十分理解できている教科もあるかもしれません。

一人ひとり違います。

だからこそ、

学年ではなく理解度から学習計画を作ること

が大切です。

また、最初から60分、90分と勉強するのが難しければ、会話をしながら少しずつ問題に取り組む方法もあります。

学習時間を増やすことより先に、

「この先生なら分からないと言える」

「間違えても大丈夫」

と思える関係を作ることが必要な場合もあります。

不登校から学び直すための5ステップ

ここまでの内容を、実際に取り組みやすい形にすると次の5段階になります。

1.現在の理解度を確認する

「中学2年生だから中2から」ではなく、どこまで理解できているかを確認します。

2.つまずいた少し前まで戻る

分からなくなった単元が見つかったら、その少し前から復習します。

3.短時間から始める

最初は10分でも構いません。

続けられる時間から始めます。

4.できる問題を増やす

難しい問題ばかりではなく、「自分にも解ける」という経験を積み重ねます。

5.少しずつ現在の学習や進路につなげる

学習習慣ができてきたら、学校の内容や高校受験など、次の目標へつなげていきます。

この順番なら、

「遅れを全部取り戻してから次へ進む」

必要はありません。

できるところから少しずつ進めていけばいいのです。

勉強が遅れても、学び直す場所は見つけられる

不登校によって勉強から離れている期間が長くなると、

「もう追いつけないのでは」

「今さら始めても遅いのでは」

と感じることがあります。

しかし、学び直しで最初に必要なのは、遅れた期間を数えることではありません。

今できるところを見つけることです。

できるところ。

少し曖昧なところ。

分からなくなったところ。

それを整理すると、

「では、ここから始めよう」

という場所が見えてきます。

一問からでも構いません。

10分からでも構いません。

大切なのは、学校と同じ速度に一気に戻すことではなく、本人がもう一度学習を続けられる形を作ることです。

学びサポートステーションふくいでは、不登校やひきこもりのお子さんについて、現在の学年だけを見るのではなく、一人ひとりの理解度を確認しながら学習の再開方法を考えていきます。

「どこから勉強させればいいか分からない」

「何か月も勉強していない」

「高校受験までに間に合うのか心配」

「親が勉強の話をするとけんかになる」

といった場合も、まず現在の状況を整理するところから始めます。

遅れている部分だけを見るのではなく、

「今できるところから、次に何ができるか」

を一緒に考えていくことが、学び直しの第一歩になります。

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